一つの音より強勢が先
発音を直そうとすると、たいてい特定の子音から考えがちですが、実際の会話で通じるかどうかを大きく分けるのは、単語のどの音節を強く読むかです。英語は強勢のある音節を長く、高く、大きく読み、聞き手もその強勢を手がかりに単語を聞き分けます。子音が一つ少しずれても強勢が合っていればたいてい通じますが、強勢が見当違いの場所にあると、やさしい単語でもまったく別の言葉に聞こえます。新しい単語を覚えるときに、意味と綴りだけでなくどの音節に強勢があるかを辞書で一緒に確かめる習慣が、いちばん効果があります。
力を抜いてあいまいに読む母音
強勢のある音節がはっきりしている分、強勢のない音節の母音はとても短く、ぼんやりと読まれます。綴りどおりにすべての母音をはっきり読むと、リズムが平板になってかえって聞き取りにくくなります。文の中でも、冠詞、前置詞、助動詞のような機能語はほとんど弱く縮めて読み、意味を担う名詞や動詞、形容詞を強く読みます。この強弱の差が英語らしいリズムを生みます。
子音のあとに母音を足す癖
日本語に慣れた人は、子音で終わる所や子音が続く所に、無意識に「ウ」や「オ」のような母音を足してしまいます。一音節の単語が、カタカナ表記の「ストライク」のように五音節に伸びるといった具合です。音節の数が変わると強勢とリズムも一緒に崩れるので、子音が重なる部分は母音を入れずにつなげて発音する練習が必要です。語末の子音は破裂させず、口の形だけ作って止める場合も多いと覚えておくとよいでしょう。
紛らわしい音のペア練習
日本語にない区別は、聞くときにも話すときにも混ざりやすくなります。一つの音だけが違う単語のペアを選んで交互に言い、録音して区別できているかを確かめるのが基本です。舌と唇の位置を鏡で見ながら練習すると感覚がつかみやすくなります。
- r と l:舌先を上あごにつけるか、後ろに反らせるか
- f と h:上の歯を下唇に当てるか、息だけで出すか
- v と b:f と同じく歯と唇で出し、喉を震わせるか
- th:舌先を歯の間に軽く出しているか
- 短い母音と長い母音:長さと口の形が一緒に違う
つなげて読むこととリズム
実際の話し言葉では、単語は一つずつ切れず、前の単語の最後の子音が次の単語の最初の母音とつながって一つのように聞こえます。同じ子音が続くと一度しか発音されず、一部の音は弱まったり変わったりします。聞き取りが難しい理由の多くはこのつながりにあり、話すときも単語を一つずつ区切るとぎこちなく聞こえます。強勢のある音節がほぼ一定の拍で戻ってきて、その間の弱い音節は速く過ぎていく流れを意識しながら、文単位で練習します。
聞いて、まねて、録音する
もっとも確実な直し方は、手本を聞いてすぐあとを追って言い、自分の声を録音して比べることです。話している最中に自分の耳に聞こえる声は実際とは違うので、録音なしに自分で判断するのは困難です。最初は一つの文を何度も繰り返し、強勢の位置、区切る場所、抑揚の上がり下がりを合わせることだけに集中します。台本のある短い音声を選び、同じ素材を数週間繰り返すほうが、素材を次々に替えるより効果的です。慣れてきたら台本を見ずに音だけを追ってみます。
ネイティブらしさより通じること
なまりが残っていることは間違いではありません。英語を使う人の多くは別の言語を母語としていて、さまざまななまりが混ざったまま意思疎通をしています。現実的な目標は、特定の地域のネイティブのように聞こえることではなく、相手に聞き返されずに伝わる発音です。その基準で優先順位をつけると、強勢、音節の数、よく使う単語の要になる音の順に直すのが効率的です。仕事や勉強で毎日使う単語を二十ほど選び、その強勢と音を先に整えておくと、実際の会話でいちばん早く変化を実感できます。
一日十五分の練習ルーティン
発音は口の筋肉の習慣なので、まとめてやるより短く毎日続けるほうが身につきます。下の順番をタイマーで区切って行えば、無理なく続けられます。
- 今日覚えた単語の強勢を辞書で確かめて声に出す
- 紛らわしい音のペアを一つ決めて交互に言う
- 短い音声を一段落聞いて、すぐあとを追って言う
- 同じ段落を録音して手本と比べる
- 翌日直す点を一つだけ書いておく
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